「釣り」という遊びに人生ごと飲み込まれた哀れな男の愉快な記述。

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本部 - 2011年10月の記事
10/07(金) 00:11
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2011年 10月 7日 (金)

伝説となった釣行


IMGP0756.JPG
朝の一発目
IMGP0760.JPG
だが、桜池は美しかった
スカイウェイブのローンがほぼ終わったので、

売ってきました。

いやマジで

09年式、走行距離3000km以下、傷ナシ

ワンオーナーなので結構高く買い取ってくれました。

そのお金で今度は、

というか本来はこのバイクが欲しいがために免許を

とったのに、いまさらながら何故一年半前の僕は

スズキを買ってしまったのかと思っております。

というわけで今度のバイクは、

ホンダシルバーウイング400

現行モデルの「GT」ではなく、あえて無印のシルバーウイングです。

04年式ながら、走行距離4000kmちょっとというなかなかの上物。

価格も売ったお金+アルファでなんとかなりました。

そして予想以上に安く済んだので、調子に乗ってこのバイクには

ETCを取り付けようと思います。

自動二輪で和歌山を駆け抜ける日がついに来そうです。


さて、今回は一ヶ月近く前に行いながらも、ある理由からお蔵入りに

なった釣行のリポートをお送りします。

話は、僕の働く店に熱心な地元バサーのK君がバイトとして入ったころに

始まります。

彼は本当にバス釣りが好きで、僕がかつてそうだったように釣り関係の

仕事につきたいと真剣に考えてたくらいの釣り好きです。

自分もバス釣りが好きで今の仕事についたので、彼とは釣りの話で

大いに盛り上がる仲となりました。

あるとき彼と紀伊半島のダムについて語っていたときのこと、彼が

「虎さん、合川ダム連れてってくださいよ。」

といいました。

自分は冗談だと思ってイイヨ!と軽く返事をしたのですが、

彼、マジだったらしく

真剣な彼に心打たれて、僕も彼に和歌山で釣りをさせてあげたい。

とおもうようになりました。

あれよあれよと日程を組んで、休みを取り、ボート屋の予約まで済ませた

のですがある事件が起こります。

それは和歌山が台風12号により、土砂崩れや河川の増水などにより多大な

被害がでたことでした。

とりわけ合川ダム周辺は道路の寸断などが多く、上流の熊野(いや)川には

土砂ダムができ近づくのも非常に危険な状態となってしまいました。

これにより合川ダムでの釣行は中止を余儀なくされたのですが、

せっかく予定まで組んだのだから、せめて彼に和歌山で釣りをさせたいと

僕は心の底から深く思ったのです。

そこで白羽の矢が立ったのは、いつもお世話になっている桜池でした。

規模は小さいものの、ここなら60UPも狙えるしなにより静岡との

釣れ方の違いを感じて欲しかったのです。(それくらい静岡はバス釣れない)

いざ当日となって行きの車内、僕と彼のテンションはマックス有頂天で、

車内での会話だけで声がガラガラになるくらいでした。

いまとなっては遅いのですが、ここで彼を落ち着かせていれば、

今回の釣行は違う結果となっていたかもしれません。

釣行当日の朝僕は、携帯のアラームで目を覚ましましたが、彼はすでに

起きていました。

興奮しすぎて寝れなかったそうです

適当に朝食を済ませ、釣りに出かけます。

今回も貸しボートで出船しました。天気は晴れ、池は満水、

釣況も悪くなく絶好の釣り日和でした、

そう風が全く吹いてないこと意外は。

朝の数時間はテンポよく二人とも釣りをしていきます。

僕が3匹、彼が2匹釣ってからでしょうか、彼の様子が少しおかしくなって

きました。最初は眠たくなってきたといって横になっていたのですが、

気持ち悪さを訴えるようになって、一旦岸に戻って休憩を取ります。

しかし症状は回復せず、吐き気、頭痛など複数の症状を訴えてきたので

僕は熱中症になったと思い、すぐに釣行を中断。

スポーツ飲料を飲ませながら、急いで家に帰って寝させました。

しかしなおも症状は回復せず、このままではまずいとおもい親と相談し

お医者さんに診てもらうことになりました。

最初にみてもらった町病院の医師は、重症かも知れないと判断し、

大きな公立病院を紹介されました。

こうなってはもう僕も僕のオカンもパニック。

すぐに公立病院に向かい診察を受け、結果を待ちます。

この間は僕は、彼のご両親になんて謝ろうとか、最悪店のシフトに影響する

のではないかとか、もう頭の中グワングワンでした。

診察の結果が出て医師から意外な病気が言い渡されました。

風邪でした。

不眠と十分でない栄養補給で免疫力が下がり炎天下での疲労も加味され

こうなったのだろうとおもいます。

人生とここまで緊張し安堵したのは初めてでした、とにかく彼が無事と

いうこと嬉しくてほっとしたのを覚えています。

こんな散々な結果になっても、彼は帰りの車中で「次はちゃんと寝るんで

もっかいつれてってください。」と言っていました。

やはり彼も僕と同じように釣りに全力を傾けている男だったのです。

今度は気候的にも和やかな春にリベンジさせてあげようと思います。

さて、いまになってなぜこの話を出してきたのかというと、毎年この時期に

なってくるとその年の釣行写真の整理を始めるのですが、彼の桜池での

写真の笑顔に改めて釣りの楽しさを思い出したのと、

人間ときには退く事も大切だ

ということをこの出来事で僕自身が思い知らされたからにほかなりません。



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